第24章 チョロ松ルート1 病魔に侵されるシコ松
目の前の兄に見向きもせず、チョロ松はアイドル二人を見て絶叫している。
「トト子ちゃーーん!にゃーちゃーーん!超絶可愛いよーーー!サイッコー!愛してるーーーーッ!!」
客席から飛んできたカラ松は、サイリウムを振り回しヲタ芸する弟を見やり、独り言のように呟いた。
「なるほど……アイドルのマネージャーになって武道館ライブをしたいのか」
「リアルでトト子ちゃんのやってるくせに贅沢だねぇ」
半目で呆れ顔のおそ松。一方、カラ松はなぜかクソ顔になり目を輝かせた。
「フッ、オレのマネージャーになればビッグな夢を見させてやるというのに……覚めない夢を…な」
「イタタタ……!急にぶっこまないでぇっ!」
苦しそうに胸元を押さえるおそ松を見て、何がイタイのかちっとも分からないカラ松は「んーー?」と顎に手を当てて考え込む。
おそ松は負傷したあばらを押さえながら、唸るように声を出した。
「いつつ…て、てかさ、デカパン博士が望みを叶えて治すっつってたけど無理じゃね?規模が大きすぎ。金ヅル坊が協力してくれんなら話は別だけど」
「フッ、オレのマネージャーになればビッグな夢をみ」
「てなわけでこの願望は無理っと。他のとこ行こーぜー」
兄は弟を置き去りにしモヤの中へ戻って行った。
「……え?おいっ、待ってぇぇえ!」
・・・