第22章 拍手御礼小話 だいじょーぶ!!
ビールとおでんがテーブルに並べられ、笑顔で乾杯。
頬杖をつき、おそ松はビールをグビリと飲み干すと、ゆめ美の話に耳を傾ける。
「だはははっ!ダヨーンの顔にぶつかっちゃったのかぁ!そっかそっか!あれ邪魔だもんなー!」
ビール一杯でおそ松はすっかり出来上がっていた。
「もうほんと、自分がドジすぎて嫌になっちゃうよ…」
ゆめ美もアルコールの力を借りてポロポロと本音をこぼす。
チビ太は二人の会話に、腕組みしながら相槌を打っている。
「だいじょーぶだいじょーぶ!ゆめ美ちゃん真面目に頑張ってんだから!」
「でも、私よりバイトの子の方がしっかりしてるんだもん」
「んなことないって」
「そんなことなくない」
「んなことなくなくない」
「そんなことなくなくなくな…分かんなくなっちゃった」
小首を傾げてグラスに口をつけるゆめ美。俯き口を結んでいる。
そんなゆめ美をおそ松は何も言わずポーッと眺めていたが、ゆめ美がため息を吐きかけると、不意に頬を両手で包み込んだ。
ゆめ美はハッと顔を上げる。
「っ…おそ松、くん?」
「だからさ、んなことないってば」
おそ松は、真っ直ぐゆめ美に視線を向けた。
「ゆめ美ちゃんはよくやってるって、な?」
おそ松が指で頬を撫でると、ゆめ美は気持ちよさそうに目を細める。
「…ありがとう」
「大丈夫だって。俺が応援してるから」
(不思議…おそ松くんに言われると、ホントに大丈夫な気がしてきた)
優しい声色と笑顔に、ゆめ美の心がじんわりあったまっていく。