第4章 内面を充実させる為にまずは外見から高めていかないとね?
「あ…見られてるとイヤ?」
「そ、そんなことないさ」
針を落としかけ、慌てて視線をスカートへと戻す。
カラ松は照れてしまい作業に集中出来ないでいた。
「直すだけじゃなくて、自分の服をアレンジしたりもするの?」
「フフーン、己の感性に訴えかけてくる服になかなか出会えなくてな。気づけばいつの間にかメイドインオレ………ってワケさ」
「へ、へーぇ…」
何か難しいことを言っているカラ松へとりあえず相槌を打ちつつ、ゆめ美は器用に踊る針に目が釘付けになっていた。
「なぁ、カラ松ガール」
呼ばれているのに、ゆめ美は視線をカラ松の手に縫い付けたまま無反応。
「おーい」
「……」
「……あの、ゆめ美ちゃん?」
「…えっ、なぁに?」
ゆめ美が「カラ松ガール」に返事をしなかったのは、カラ松の手先に見惚れて気づかなかったからなのか、クソイタかったからなのかは読者様に委ねます。
あくまでも主役は貴女様です。