第20章 アンケート回 松怪奇譚〜落〜
一松は三人が檻から出たのを確認すると、泣きべそかいてるカラ松を引きずりながら檻の外へ。
一方、急に放り出され積み上げられた三人は打ち所が悪かったらしく口論を始める。
「いってぇなトド松チンコ蹴んなし!」
「暴れてないでお前ら僕から降りろ!」
「重いし密着して気持ちわる…ってちょっと待ったー!十四松兄さん何してんの!?」
兄達にサンドされたトド松が十四松に向かい声を上げた。
「みんな、今までありが盗塁王!」
十四松は弟にニッカリ笑いかけ、檻の中央に大の字で寝転んだ。
「なに言ってんの!?兄さんも早く出ろよ!!」
青鬼達は牙を剥いて十四松へ飛びかかろうとする。
「よし、じゃあみんな仲良くいただきま…っうぐっ!?」
女将の不意を突き、一松は女将の背中を蹴って檻に放り込むと素早く鍵をかけた。女将の肩をポンと叩いた時にちゃっかりくすねておいたのだ。
それを合図に、十四松はポポポポーーンと十四松十四分の一スケールverに分裂し、いとも容易く檻から脱出する。
「なんだいその能力は!?お前やっぱり人間じゃなかったのか!?」
十四松の分裂に面食らい、ガンガンと鉄格子を揺さぶる青鬼と女将達。
「出せっ!!出さないとどうなるか分かってるね!!」
けたたましい音を立てるも鉄格子は頑丈でビクともしない。怒りに震えながら女将は蜘蛛に変身して鉄格子を叩く。
「出せっ!このウジ虫野郎ッ!!」
可愛いやんちゃな我が子を閉じ込めていた檻は、蜘蛛になった女将ですら破壊出来ないようだ。