第20章 アンケート回 松怪奇譚〜落〜
「しっかりしてよ?アンタ本当に鬼?そんな生半可な気持ちで鬼が務まると思ってんの?おれが鬼なら、最愛の兄弟が一人ずつ犠牲になっていくのを見せつけて、完膚なきまでメンタル破壊した後、恐怖で冷え切った生き血の香りをじっくり味わうけど…」
「お前、良いこと言うねぇ…!」
「へへっ、あざーす」
互いにほくそ笑み握手する二人を見て、チョロ松はおそ松に耳打ちした。
「ねぇ、あいつなんで青鬼と打ち解けてんの?」
「知らなーい。仲間意識でも芽生えたんじゃない?」
「仲間!?一松兄さんついに人間やめるの?カラ松兄さん!一松兄さんを正気に戻してよ!」
「フッ、オーケーブラザー」
泣き腫らした目で訴える末っ子に、カラ松はウインクを飛ばし、一松に歩み寄った。
「ブラザー落ち着くんだ。怖くて己を見失ってるんだな?女将さんに謎の人間クック◯ッドをお披露目しつつ、ゆめ美の前でフルチンとはなかなかやるじゃないか。だが、いくら身体をさらけ出しても心を開かなけれ」
「ふんっ」
「痛っ」
「ふんふんふんっ」
「痛い痛い!!なんで!?」
四男は無表情で次男に往復ビンタを食らわせた挙句、檻に蹴り入れた。