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おそ松さん〜恋セヨ松野さん〜

第20章 アンケート回 松怪奇譚〜落〜



「おい一松!お前なにババアに俺らの食い方指南してんだよ!」

「ブルーなオレとブルーな鬼…。これはまさにデスティニー!女将さん、オレを食べずに養わないかい?」

「呑気にイタイ命乞いするなカラ松。お前はどっちの味方なんだ一松!」

「ぼくねぼくね!クソマズいよ!」

「この闇人形!!人の皮を被った化け猫ーーッ!!」


松達の命乞い&毒づきが飛び交う中、ゆめ美は恐怖でどうすることもできずぺたんと座り込む。

そんなゆめ美を、一松はジッと見つめた。


(ゆめ美、おれに考えがある)


という意思を伝えたつもりで微笑みかけたのだが、案の定失敗だった。ゆめ美は禍々しい笑みを向けてきた一松と目が合うと、あまりの恐ろしさに気を失ってしまった。


「ゆめ美ちゃーん!?」


隣にいた十四松が必死に肩を揺らすが、ゆめ美の意識は戻らない。


「なに…おれの笑顔そんな能力あったの…」


途端にメンタルが折れかけるもなんとか堪え、今度は十四松にアイコンタクトを送る。


「……」

(十四松、お前の…で…から…ば…)

(えー?うんうん、分かったー!)


十四松はつむじの一本毛を逆立てて一松の思念を受信すると、ニカッと笑って飛び跳ねる。


「ハイハイハハハイ!ぼくトップバッター!オススメは肩ロース!肩めっちゃ強くて美味いよー!」

「なに立候補してんの!?ここはフツー逃げるか立ち向かうか命を乞うシーン!!」

「ふんぬッ!」


慌てて止めに入るチョロ松だったが、十四松は無視して蜘蛛の糸を引きちぎり(普通の人間にはまず不可能)、ボディビルのようにポージングをお披露目し始める。


「ぼくねぼくね!A5投球!!」

「等級だろ…」


ぽつり、とチョロ松が呟くが、


「ホラホラホラ!活きがいいねぇ!」


女将の笑い声が掻き消して誰の耳にも入ってなかった。


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