第18章 アンケート回 松怪奇譚〜追〜
ゆめ美は、暗がりを指差した。
「チョロ松くん、じゃああれは?」
「え?」
浴衣の裾を掴まれ振り返る。
チョロ松は饒舌をふるっていて気がつかなかった。
カタカタと機械的な音を立てながら、廊下の向こうから何かが近づいてきている。
二人の数メートル先にまで近づいたところで、音の正体は明らかになった。
カタカタカタ…
それは、身の丈六寸ほどのからくり人形。
着物を着た童子の姿をした茶運び人形である。
カタカタ…カタ——からくり人形は二人の足元で止まった。
人形が持つ盆の上には光る何かが乗っている。
ゆめ美がそれを拾おうとした時、唐突におどろおどろしいあの笑い声が聴こえてきた。