第3章 さぁこの出会い、本物の愛にまで育つかな?
「ロールキャベツも美味いよなートッティ?」
「うん、お肉がね、お口の中でジュワッてなってふわふわトロトロでとっても美味しいよ!リピーターになっちゃいそう」
「……」
末弟をジットリ睨む四男。ぶりっ子なのが鼻に付くようだ。
「あははっ、トド松くんて明るくて話しやすいよね。彼女はいるの?」
「えへっ、ありがと!彼女は今はいないかな」
ニコリ、とゆめ美に胸キュンスマイル(自称)を届けるトド松。
「今は?この世に生を受けてから一度もいないだろ」
「ちょっと何一松兄さん?そっちこそ猫以外話し相手いないくせに」
「い、いいだろべつに。あざとく頑張ってる割に、収穫ないよな…お前」
「はぁっ?足枷共がボクの足を引っ張りまくるからでしょ」
一松とトド松の視線がぶつかり、バチバチと火花が飛び交う。
攻撃をしかけようとトド松が口を開けた瞬間、
「オムライスうんまーー!!」
またしても十四松が険悪なムードを掻き消すシャウトをした。
ほっと胸をなでおろし、ゆめ美も話題を切り替える。
「えっと、美味しいよね!私もうちのオムライス好きなんだ」
十四松は、スプーンにふわとろな卵とチキンライスを掬う。
「一口食べるー?」
「ふふっ、何回も食べてるからだいじょぶだよ」
わかったと言い、すぐさまパクリと自分の口へ運ぶ。
「じゃあ、ゆめ美ちゃんのナポリタンちょーだーい?」
「いいよ、はいっ、あーーん」
「あーんっまーーーーーいっ!!」
ナポリタンを口にした途端、勢いよくガッツポーズを繰り出す十四松。
ガッツポーズというか、大ジャンプしながら右手を天に突き出し、さながら昇竜拳だ。
(な…なあぁぁぁにぃぃぃい!!??)
この、十四松の些細な行動が、五人に火をつけてしまった…。