第3章 さぁこの出会い、本物の愛にまで育つかな?
注文の料理を全て運び、洗った食器を並べていると、店主がゆめ美の肩をポンと叩く。
「ゆめ美ちゃん、ランチタイムそろそろ終わるから、みんなとまかない食べてきな」
「え…いいんですか?」
「いつも真面目に働いてくれてるんだから、それくらい構わないさ。その代わり、看板CLOSEにしてからね」
「…ありがとうございます!」
ゆめ美は野菜がたっぷり入ったナポリタンを受け取り、店のドアに掛かっている看板をOPENからCLOSEへ裏返した。
そして、おそ松達の左隣にあるテーブルへ座る。
「みんな、一緒に食べていい?」
少し緊張しながら声をかけると、六人は食べる手を止め、尋常じゃないくらい歓迎した。
「フッ、ウェルカムビーナス…!」
「いらっしゃーい膝くるぅー?」
ポンポンと膝を叩くおそ松。先ほどの一件があったのに懲りてない。
「膝は遠慮しておきます」
苦笑しながら前を見ると、チョロ松が嬉しそうにウインナーをパクリと口に入れている。
「チョロ松くん、味はどう?」
「はぅんっ!?」
ドッキリにでも遭ったのかというくらいガタタンと身体を揺らす。
「ああ味っ!?お、美味しいよ!まるでファミレス来たみたい!」
「ファミレス…?」
「じじじゃなくてっ!!兎にも角にも美味しい…かな!あははははっ!」
失礼極まりないポンコツぶりを見せるチョロ松。
もしかしたら、ものすごい照れ屋なのかな、とゆめ美は密かに思った。