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おそ松さん〜恋セヨ松野さん〜

第16章 アンケート回 松怪奇譚〜序〜



「ユメ、ワンピかわいいじゃん!あと、黒いサンダルとの組み合わせもすっごく素敵だな」

「そう…かな?ありがとうトッティ」


当然、あざとい末っ子は褒めるのを忘れない。女子を喜ばせる術に長けた彼に抜かりはないのだ。


(手ぶれしちゃったから、もう一度…)


会話を続けながらトド松は自然なノリでシャッターを押す。

が、今度は背景に異質なものが写った。


「イェーイ!ゆめ美ちゃんガムちょーだーーい!」

「はい、おそ松くん」

(何なのもう…。ユメの顔は隠れるし背景赤いしぶち壊しだよ!)


即座に消去する。

十人乗りの大型ワゴン、席順は運転席がチビ太、助手席がイヤミ。
二列目のシートは右からカラ松、おそ松、三列目はトド松、ゆめ美、四列目のみ四人乗り仕様で、仲良く十四松、チョロ松、一松が並んで座っている。
余談だが、席順は何時ぞやと同様あみだで決定したらしい。


「おそ松兄さん、景色撮ってたんだから邪魔しないで」

「あ?どうせそう言いながら目当てはゆめ美ちゃんだろぉ?」

「ふーんだ。べつに盗撮なんかしてないし。ユメなら堂々と撮れるもん。はいインカメ美白効果つきー!」

「あーっ!何頬寄せてんだテメーッ!」

「えへっ。ツーショットゲットー!」


ぐいとゆめ美に顔を寄せ、女友達のノリでツーショットを撮ってのける末弟に、兄達は瞬間湯沸かし器の如く殺意が湧き起こる。
騒ぎだす六人に、さすがのイヤミもお手上げだ。


「チミ達!さっきからギャースカうるさいザンス!ミーのガイド聴いてチョーよ!」


声を張り上げるイヤミの横、落ち着いた調子でチビ太が諭す。


「ほっとけイヤミ。オイラ達の真の目的を思いだせ」

「ぐぬぬ…そうザンスね。ミーのガイドをガン無視なんてちっぽけな出来事。こいつらを例の旅館まで連れてけば…」


イヤミは薄ら笑いを浮かべながら、チビ太と頷き合って前を向いた。



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