第15章 番外編 perfect birthday〜F6〜
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桃源郷って本当にあったんだ——が、一番にゆめ美の脳裏に浮かんだ感想だった。
「やぁ!待ってたよお姫様!」
「おせーんだよお前ら!………心配するだろうが」
「すみません十四松、先に始めてしまいました」
「ゆめ美、おれの隣に来い。これは命令だ」
「はやくはやくー!一緒に遊ぼー!」
眼前にある悦楽の園を見やり、ゆめ美はゴクリと唾を飲んだ。
贅を凝らしたローションプールというラブサンクチュアリーで、ギリシャ彫刻のように美しいビキニパンツのイケメン達が、その肌を艶やかに濡らし戯れ——要するに、ローションをぶっかけあっていた。
(さすがに夢、だよね…?)
ゆめ美は目の前の光景を信じられず、自身の頬に往復ビンタをしていると、黒ビキニ一丁になった十四松がゆめ美の手を掴んだ。
「ご乱心してないで行くよ!それーっ!」
十四松は、水着に着替えさせたゆめ美の全身に、トイレットペーパーを巻いていく。
「あの、これは?」
「アッハハ、ちょっとしたゲームの準備だよ。制限時間内にぼくらのローション水鉄砲から、トイレットペーパーを死守出来たらゆめ美の勝ち。守れなかったらぼくらの勝ち。勝った方が負けた方を好きにしていいルール。素敵でしょ?勝っても負けても、ぼくらの愛でキミを満たしてあげる」
AVのようなエロい企画に、ゆめ美のハートはトキメキまっしぐらだ。