第15章 番外編 perfect birthday〜F6〜
雨はすっかり上がり、空に鮮やかな虹が架かっている。
一松と夢のようなひと時を過ごした後、ゆめ美は雨上がりの街を歩いていた。
(プレゼントはあと二つ。カラ松くんと十四松くんはどこにいるんだろう)
行くあてもなく辿り着いた岬から虹を眺めていると、バイクのエンジン音が近づき、すぐ後ろで鳴り止んだ。
振り返れば、そこには会いたかった人の姿が…。
「カラ松くん!」
「フン、脅かしてやろーと思ったのにつまんねぇ」
カラ松はバイクを止めると、ゆめ美の隣に並んで虹を見上げる。
「こんなところで空なんか見て何やってんだよ?」
「カラ松くんのこと探してて、少し休憩してたの」
「チッ…」
カラ松は舌打ちすると、何も言わずにゆめ美の肩を抱き寄せた。
「オレを探す?笑わせんな」
「ひゃっ!」
不意打ちで耳を甘噛みされ、声を漏らすゆめ美を見てニヤリと口角を上げる肉食系肉イケメン。その表情は、まるでか弱い獲物をじわじわと追い詰め、ハントを愉しむ獣のようにギラついている。
「もうっ、びっくりさせないで!」
「うるせっ。テメーが生意気なことぬかすからだ!」