第15章 番外編 perfect birthday〜F6〜
トド松は、ゆめ美を女豹のポーズから楽な姿勢にさせると、手を取り両手で包み込んだ。
「ほら、わかる?ユメに触れて、ボク、こんなにドキドキしてる」
恥ずかしそうに、ゆめ美の手を自身の心臓に押し当てる。
「トッティ…」
「ユメ」
ぶつかり合う二つの視線。
ピンクのカーディガン越しに伝わる速い鼓動。
思いもよらぬ展開に、ゆめ美の鼓動も寄り添うように高鳴っていく。
トド松はゆめ美の肩を優しく押した。
「キャッ」
覆い被さり、両手を寝転ぶゆめ美の顔の横につく。
「ふふっ、捕まえた。ボクが女の子みたいだからって油断してたでしょ?」
「トッティ…?なにを……ぁっ」
トド松は絵筆でゆめ美の耳をくすぐった。
優しく撫でるように筆を滑らせる。
「ん……ふ…っ」
「ねぇ、ボクにだけ聞かせて?ユメがどんな声で鳴くのか…」
キューティフェアリーのSな一面に、ゆめ美の思考は掻き乱される。
「だ…めっ、トッティ…」
つうと鎖骨をくすぐられ、ぴくんと肩が跳ねると、身じろぎした拍子にゆめ美のポケットから何かがカランと音を立てて落ちた。