第3章 さぁこの出会い、本物の愛にまで育つかな?
「それが全然決まんねーの。ゆめ美ちゃんのオススメ教えてー」
おそ松がゆめ美の方へ振り返ると…
「オススメは…わぁっ!?」
「ん?」
おそ松の左頬に柔らかな衝撃が走る。
(こ、これはもしや…伝説のぱふぱふ…!?)
ラッキースケベという名の奇跡が起こり、胸にダイレクトアタックした左頬がみるみる熱くなっていく。
「あ、あの…!?」
固まるゆめ美。沈みゆくゲス顔。
「って沈みゆくじゃねーし!何してんの!?」
「このゲスーー!!」
チョロ松とトド松は般若の形相で、幸福の柔いおっぱいからおそ松の顔を引き剥がした。
「だははっ!いや〜ゴメンね〜!ワザとじゃないからね?ね?」
ワザとじゃなくとも、目がハートマークな彼はとても詫びてるようには見えない。
「いい加減にしろ!ちゃんと謝れ!ひれ伏せ!」
「へーい」と間抜けな返事をしながら手を合わせて謝るおそ松。
ゆめ美は恥ずかしそうに背筋を伸ばし、腕を組んで胸を隠した。
「もうチョロ松くんっ!びっくりしたよ!」
「えぇっ!?それおそ松だから!赤くてバカでクズなのがおそ松だよこれ葉さん!頼むからそいつとだけは間違えないでーーっ!!」
「ちなみに目の前にいる、うるせーダサみどりがシコ松ね」
「ややこしくすんじゃねーーっ!ダサみどりでもシコ松でもなくチョロ松!」
チョロ松がハリセンをその手に握りしめた時、
「おなかすいたすいたすいたすいたすいたーーっ!!」
「っ!!」
サイレンのような十四松の声が店内に響いた。
ハリセンが振りかぶったままピタと止まる。
「……おれも、腹へった」
それに続きポツリと一松。
「あ……じゃあ、メニューの説明するね。うちのオススメは——」
説明をひとしきり聞き、おそ松とトド松はこの店一番のオススメであるロールキャベツシチューを、カラ松はローストビーフ丼、チョロ松はナポリタン、一松はヒラメのムニエル、十四松はオムライスを注文した。