第3章 さぁこの出会い、本物の愛にまで育つかな?
六人は窓際のテーブル席に案内され、壁側のソファーに手前からチョロ松、カラ松、一松が並び、椅子にはチョロ松の向かいがおそ松、その隣にトド松、十四松の順で座っている。
「なーに食おっかな〜」
メニューを眺めつつ、店内を見回すおそ松。
小声で隣のトッティに耳打ちする。
「なんかさ、この店かなり年季入ってて古臭くね?改装しねーのかな?」
「ハァ……ぜんっぜん分かってない。こーゆーレトロなのがオシャレなの。雰囲気をレトロっぽくするんじゃなくて、本物感あるのが更に二割増しでカッコいいの!」
ホントセンスゼロだよね〜と付け加えられ、おそ松はムッと口を尖らせる。
「じゃあうちだってクソオシャレじゃん」
「えぇ…——いやさ、ただ古けりゃ良いってもんでも無いでしょ。そこら辺センスの良し悪しだから。例えばあのレコードとか英語でカッコいいし、このテーブルとかも外国のカフェっぽくてなんか小洒落てるし、このメニューのフォントだって」
「トッティ、熱弁振るうのは注文してからにして。早く頼もうよ」
チョロ松が熱の入り出したトド松を遮り、メニューを全員に見えるように開いた。
「そろそろお決まりですか?お客様」
いつの間にかおそ松の後ろに来ていたゆめ美が、ひょこっと六人の顔を覗き込んだ。