• テキストサイズ

おそ松さん〜恋セヨ松野さん〜

第3章 さぁこの出会い、本物の愛にまで育つかな?



店をキョロキョロと見渡してから一松が口を開く。


「この店…見覚えある」

「ぼくもぼくもー!」


目を爛々と輝かせながら十四松が余った袖で店の奥を差した。


「あの蓄音機、ロボみたいーって言ってたの思い出しマウンド!」

「ははっ、ちっちゃい時家族で来てくれてたからねぇ。憶えててくれて嬉しいよ」

「そうだったの?じゃあ私達ここで会ってたかもしれないね」


店主はゆめ美に、かつて六つ子がこの店に来ていたのを話していなかったようだ。


「しかしマスター、オレ達が来ていたのは十年以上も前のはず。それをメモリーしてくれていたなんて…!」

「世にも珍しい六つ子を一目見て、忘れるって方が難しいさ」

「オッさん憶えててくれたんだな〜俺全然憶えてねーけど」

「オッさん言うな!店長って呼べ!」


またしても無礼な長男を叱る三男を、店主はまぁまぁと宥める。


「元気があっていいじゃないか!それに、ジイさんじゃなくてオッさんと認識してくれて嬉しいよ」

「スイマセンね、この緑のがやかましくて」

「お前が元凶だろ…!」


楽しそうに笑う店主とアホ面なおそ松を眺めながら、ゴムのオッさんやっぱ心広い、心の器ハンパない、とトド松は強く思った。


所々話が脱線しながらも、全員の自己紹介が終わると「ゆっくりしていってね」と一言告げ、店主はキッチンへ戻って行った。


/ 442ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp