第14章 トッティメモリアル
係員はトド松の声を遮ると、唐突に二人の手に手錠を掛け、喉の奥で愉しそうに笑った。
「このアトラクション、クソつまんなかったから私がプロデュースし直したんだよ…。今までのとは一味も二味も違うってもっぱらの評判だから…。で、この手錠は出口まで外せないから。一人で逃げるのは不可能ってワケ…分かった?……トッティ?」
「え"…っ!?」
名前を呼ばれ、トド松は凍りつく。
「ちょ、ちょっと待って…今なんでボクの名前を!?」
「イヤだなぁお客さん。そっちのお嬢さんの真似ですよ…イヒヒ…」
「はぁっ!?その笑い方まさか!!??」
「おーーっと、次の客が待ってるから、私の説明はここまでですよ……んじゃ」
キィ、と軋む音と共に扉が開かれ、漆黒の闇が二人を出迎える。
「……逝ってらっしゃーい……」
トド松は係員に背中を押され——というか蹴られ、二人はジェイソンが待つ恐怖の館へと入り込んだのだった。
・・・