第14章 トッティメモリアル
(ボクは馬鹿だ。自ら親密度を上げるイベントを企画しておきながら、逃げ出そうとするなんて!)
「う、うん。平気だよっ、ありがとう」
手を引かれ起き上がると、繋いだまま係員に向き直った。
そんな二人の様子を見て、係員はくぐもった声で尋ねる。
「おたくらさ…手なんか繋いじゃって…付き合ってんの?」
そう言って、ジェイソンマスクの奥の瞳を一瞬ギラつかせた。
「え?い、いえ、私達は…」
「てへっ!もーぅ、そう見えちゃいますー?おにーさん上手なんだからー!」
あんなに怖がっていたくせに、その一言でトド松のテンションは急上昇だ。
一方、自ら聞いた癖に、係員はどんよりとしたオーラを放ち、興味なさげに「あぁそうですか」と一言。舌打ちのオマケつき。
あからさまに不機嫌になりながら、係員はボソボソと説明を始めた。
「んじゃ、この中はお茶目なジェイソンが死体でおままごとしてる屋敷だから。おままごとの人形にされたくなかったら、逃げ切って二人で生きて出口まで辿り着いてね。途中リタイアはナシで、捕まって八つ裂きにされたらゲームオーバー………分かった?分かったらさっさと入ってくれる?」
身の毛のよだつ説明をされ、二人の背筋に悪寒が走る。
「も、もーおにーさんやだなぁ!演出半端ないんだからー!」
「トッティ…物凄く怖そうなんだけど」
「大丈夫だよ!ネットで調べておい「あぁ、一つ言い忘れてたけどねェ」