第14章 トッティメモリアル
ハットに白シャツ、ネクタイコーデのピンクの王子様は、無礼なアロハ男にご立腹だ。
「ボクの彼女に何してんの?」
「はぁ?彼女?まさか、お前がこの子の…」
「彼氏。だから、消えてくれる?」
「……チッ」
アロハ男はトド松の手を振り解き、早足で逃げて行った。
ゆめ美が安堵の溜息をつきトド松へ駆け寄ると、トド松はいつものあざと可愛いトッティスマイルで出迎える。
「ユメ、待たせてゴメンね。大丈夫だった?」
「助けてくれてありがとう。あのさ、でも…『彼氏』って…」
「ん?ああでも言わなきゃ引き下がらなそうだったからさ。行こうか?」
トド松はゆめ美の腕を取ると、自身の腕に絡ませた。
「あの…トッティ?」
「ユメがまた変なのに引っかからないように、ボクが守ってあげる」
ゆめ美が恥ずかしそうに頷いたのを確認し、トド松は歩き始めた。積極的な彼に、ゆめ美の胸の鼓動は高鳴るばかりだ。
こうして、デートの幕開けからトド松は親密度を稼いだのだった。