第13章 十四松の誓い
意地悪く笑うトト子に、ゆめ美は困った表情を向ける。
「そんな選択肢ありえないんだから、考えたってしょうがなくない?」
「例えばの話でしょ。それに本当にあるかもよ?身近に同じ顔六人いるもん。ウルトラスーパーエリート御曹司の六つ子が、世界のどっかでトト子を待ってるかもー!!」
希望的観測でものを言うトト子を見て、こういう思考に到達しているからこそ、トト子はトト子であり、超絶可愛いがゆえに許されるぶっ壊れポジティブなんだ——と、思ったところで、ゆめ美はずっと気になっていたことを聞いてみた。
「そういえば……トト子は、小さい頃からおそ松くん達と仲良いよね?」
緊張からか、ゆめ美の声のトーンが上ずっている。思いもよらぬ質問に、トト子は首を傾げた。
「えーっ?仲良いっていうか、ただの近所の幼馴染で腐れ縁ってヤツー?ほんと、全員イケメンで地主とか馬主とか、とりあえずなんかの主で逆ハーだったらよかったのにぃ!」
トト子は不満を全面に出した顔つきになり、頬杖をつきながらゆめ美を横目で見た。すると、隣の親友は何故か顔を赤くしている。
「トト子は…そう言いながらも、みんなのこと大好きだよね。もしかしてさ、あの六人で誰か気になってたりする?」
「はぁっ!?そんなのありえなーい!だってあいつらニートだしごくつぶしだし童貞だしぃ。トト子には釣り合わないってゆーか、自信なくした時のチヤホヤ要員ー!」
「そ、そんな要員やだな」