• テキストサイズ

おそ松さん〜恋セヨ松野さん〜

第12章 恋とニャンコと真心と




お家を出たのまではよかったんだけど、街中どこを歩いても、ぼくは勝手に声が出ちゃって、みんなカンカンだ。

ぼくは、みんなが隠している本音を次々に暴いてしまう。

当然、みんな怒る。

だってそうでしょ?街中で突然パンツ下ろされたら誰だって怒るよね?

道端のゴミを投げながらみんなかぼくを追いかけてくる。人間の波にのまれそうになりながら、ぼくは分かった。

本当の気持ちは自分の意思で見せるものなんだって。

嫌いって気持ち。

好きって気持ち。

気持ちにもいろいろあるけれど、隠すも晒すも自分次第。

他動的に無理やり剥き出しにしちゃいけないシロモノだったんだ。

ぼくは嫌われ者。

逃げて逃げて、どこまでも逃げよう。

誰もいないところへ…。


「ゥニャッ!?」


コツン——と、投げられた缶が背中にぶつかった。

ぼくは歯を食いしばり、痛みに堪えながら、暗い路地裏へと逃げ込んだ。


/ 442ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp