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おそ松さん〜恋セヨ松野さん〜

第10章 恋熱にほだされて



寝顔を見守りながら、カラ松はここ最近のゆめ美との日々を思い返していた。

無職である六つ子は、同世代カースト圧倒的最底辺。世間のニートに対する風当たりは冷たい。にも関わらず、ゆめ美は共に時を過ごしてくれている。

そんなゆめ美をもっと知りたい、仲良くなりたいと思うのはごく自然な感情だ。

だがそれはカラ松に限った話ではない。というか、女子と仲良くなれるだけで奇跡なのだから、六人全員それ以上の関係を望んでいるのは至極当然である。

カラ松は気づいていた。
みんなゆめ美が好きなのだ、と。

トト子は六つ子にとって永遠の憧れ、言うなればアイドル、高嶺の花。

彼女の中で六つ子はクソニート童貞であり、それ以上でも以下でもない。というか、以下がない。
振り向いてくれる確率は、宝くじの高額当選並に望みが薄いと見ていい。
それこそ、油田を掘り当てたり、なんかの社長にでもならないとまず無理だろう。

だけどゆめ美は少し違うような…。
ゆめ美ならば、たとえニートで童貞でも、共に寄り添い側にいてくれそうな、そんな気がしていた。

きっと、応援してくれる、と。

変わろうとするのは勇気がいるが、彼女のためならば、渋っていた就活も出来ないこともなくなくない。


「ゆめ美…キミがそばに居てくれるなら、オレはきっと、仕事だって…」


夢の中にいるゆめ美に、彼の声は届かない。


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