第2章 出会っちゃったのだ!!
ゆめ美たちから程よく離れた位置で、六人はしゃがみ込み会議を始めた。
乱暴に引っ張られ、アスファルトに尻もちをつくカラ松に殺意の込められた視線が注がれる。
「もう黙ってろカラ松!お前がしゃしゃりでるとロクなことないんだよ!」
「そうだよクソ松兄さん!ボクらの同世代カースト圧倒的最底辺かつ暗黒大魔界クソ闇地獄カーストライフにおいて、まさかの第二ヒロインが誕生しようとしてるのにさっ!!ラブコメ展開が始まる前に終わるとか絶っ対やめて!!」
カラ松は首に出来たあざを押さえ、青白い顔で呼吸を整えながら「何がだ?」とでも言いたげな表情をチョロ松トド松に投げかけた。
その無自覚さが益々五人を苛立たせる。
「クソ松…お前は何回死ねば気がすむんだ?ぁあ?」
「マジ空気読めないね!」
「クソ松兄さんのバカ!サイコパス!オカルト!」
「まーまーみんな落ち着けって」
おそ松が両手をヒラヒラさせて、不満を捲したてる弟達を宥めた。
「んじゃ、お前らよく見とけー!俺が女子とお近づきになる手本見せてやるから。いろいろうやむやにしつつ、セフレ候補になってくっから」
「セフレ言うな!っておい!行くなバカッ!!」
チョロ松が手を伸ばすも時すでに遅し。
伸ばされた手をおそ松はヒョイとかわし立ち上がった。またしても危険人物がゆめ美とトト子の座るベンチへと向かう。
鼻の下を指でこすり、ヘラヘラしながら一匹のボンクラが近づいていった。