第6章 危険な悪戯
『あれ、紅楼どっか行くの?』
「えぇ、少し呼ばれてましてね。 夜には帰ります」
『そ……』
「ちゃんと待っていて下さいね」
『っ……う、うん。 待ってる』
最近紅楼の笑顔で素直になってしまっている気がする。
現に今だって……
「じゃあ、行ってきます」
『い、いって…らっしゃい』
パタンと扉が閉まり静寂が訪れる。
って……何普通に見送っちゃってるのぉぉぉっ?!
「行ってきます」『行ってらっしゃい』って、何あれ恥ずかしぃぃぃぃっ!!
急に今自分が普通にやってしまった事に恥ずかしさが込み上げてきて、一人玄関の前で悶える。
……の、隣にハラ。
「あれ、ちゃんもしかして……紅楼の事、好きなの?」
『!!』
両手で頭を抱え真っ赤に染めた顔をコチラに向けて口をパクパクさせるものだから、可愛くて思わずもっと苛めてみたくなってしまう。
「へぇ〜、そうなんだ〜。 ちゃんってば、紅楼の事がs((」
『な、ななな、何言ってるのっ?! そそ、そんな、そんな事無いっ!!』
紅楼の事を考えているのか、口を手で塞いでくるは無意識にも催淫してくるため妬けてしまう。
自分はもしかすると、悪魔に一目惚れしたのかもしれないと数日間ずっと考えていた。
その気持ちが気のせいだったと確認する意味もあり今日ここに来たのだが……どうやら、気のせいでは無かったようだ。
「……妬けるなぁ」
『え……何か言った?』
「いや、何も」
から離れて笑みを向ける。
もちろん、嬉しいとかそんな感情じゃ無くて……どうやって苛めてやろうかな、って。