第6章 危険な悪戯
天使ハラが私の目の前に現れてから数日、あの恐怖を忘れる程落ち着いた日々を過ごしていたのだが……
「ちゃん、おはー♪」
「ねぇ、ちゃん調子どう?」
「ちゃん、今日h((『あぁぁぁだぁぁぁぁっ!! なんなのっ?! 何で居るのぉぉっ?!』」
「まぁまぁ落ち着こうよ〜」
『落ち着こうよ〜 じゃ無いっ!!』
何故か私の周りをウロチョロし、いちいち話しかけにくるハラを暫くは無視していたのだが、あまりにも我慢できなくなり遂にキレた。
誰も居ない聖堂に響き渡るの大声を聞き流しハラは調子を崩すことなく会話する。
「また来るって言ったじゃん」
『そういう言葉って守らないものじゃないの?! ってか、私に付き纏わなくていいでしょがっ!』
「また来る」は絶対に来ないパターンだろうと踏んでいたのに、本当に来てしかも付き纏われ負の感情ばかり渦巻く。
「まぁ良いじゃないか〜、危害は加えてないし☆」
パチンとウインクしたハラに怪訝そうな顔を向け内心『今まで散々な目にあったんだけど……』と思った。
『なんで私なんかに付き纏うのよ。 別に悪さしてないでしょっ』
「うん、まぁ、今の所はして無いね。 様子見? みたいな」
『……理由もなく痛いのは止めて欲しいんだけど』
聖堂に並ぶ椅子を拭きながら少し睨めば笑って流された。
私が悪魔だからって見下されてるような感じがしてスッキリしない。
溜息をつきハラの視線を感じながら椅子を拭いていく。
やはりあの時のもハラの仕業だったのか、今日は一番前を拭いていても日差しは暑いが、燃えるような熱さは感じない。
なんで私なんだよ……と思いつつ洗濯物を取り込みに行こうとして紅楼とすれ違った。