第5章 現れた天使
『び、びっくりした……っ』
扉を背に冷や汗をかきながらどうするか悩んで居れば扉が開けられ前に倒れる。
『いだっ』
「ちょ、そんな近くに居たんですか。 まったく……」
『な、なんで分かったの……居るって』
「それは、あれだけ催淫されれば誰だって気づくでしょう」
『えっ、私催淫なんてしてないよ?』
紅楼の言葉にキョトンとしながら言葉を返せば、驚いた様な顔をしてそれから少し笑って私を見た。
「無意識って怖いですね」
『むいしき? ……というか、私催淫苦手なんだよね。 あれやり方分かんないからさ』
「意識的に出来ないのはコチラとしては好都合ですけどね。 まぁ、無意識は少し厄介ですが」
眼鏡を外して部屋から出て来た為、自分も立ち上がって隣に立つ。
「夕ご飯にしますか」
『うん!!』
尻尾をパタパタと振ると、頭を撫でられた。
紅楼が夕食を食べ終えたら私のご飯の時間だ。
今すぐに飛びつきたい気持ちを抑えながら紅楼について行く。
あぁ、早くご飯くれないかなぁ。