第5章 現れた天使
次に目が覚めると外が紅く染まっていた。
『もう夕方……』
寝すぎてしまったと思いながら起きようとして、布団が掛けられていることに気づいた。
紅楼なのかな?
嬉しくて胸がほっこり温かくなった。
紅楼の所へ行こうと自分の部屋から出て匂いを辿って歩くと、やがてある一室に着いた。
『何の部屋なんだろ?』
少し開いていた扉の隙間からコッソリ中を覗いてみると、大きな本棚が目に入った。
うわっ…凄い量の本。
天井まである本棚が幾つか並んでいて全てに本が詰まっていて驚いた。
これだけの本、一体何の本を集めればこうなるのかにとっては理解が出来ない。
本棚から少し視線をずらすと、窓辺に腰掛け本を読んでいる紅楼の姿が見えた。
眼鏡をかけて夕日に照らされてるその姿にの胸が跳ねる。
『っ……』
かっこいい、素直にそう思ってしまって目が離せなくなってしまう。
「……はぁ、バレバレですよ、」
『っ?!』
こちらを向いた紅楼とバッチリ目が合い、驚きのあまり扉を閉めてしまった。