第5章 現れた天使
「おーい、ちゃ〜ん。 起きてー!!」
傷をツンツンと突き少し乱暴に目覚めさせる。
まぁ、そう簡単には起きないだろうと思っていたハラだったが、予想外な事に(いや、傷が痛かったのか)は目を覚ました。
『んにゅ……く、ろぅ?』
寝惚けているのか目を擦りながら身体を起こしている。
「やぁ、おはよう! 悪魔のちゃん♪」
ハラは笑顔で挨拶をする。
そんなハラを見ては数秒固まった後……
『て、ててっ天使っ?!』
状況を把握したのかしていないのか、部屋の隅へと逃げてしまうを追いかけて詰め寄る。
「そう、天使。 まぁそんな逃げないでよ」
『いや、普通逃げるから……ひっ?!』
隅からまた逃げようとすると、逃げ道を塞ぐように壁に手をつかれ小さな悲鳴が上がる。
怖い、怖い、怖いぃっ……け、消される……
震えだす体を抱き締めながら潤んだ瞳でハラを睨むと、丸い目をするハラ。
この淫魔……催淫してる事に気づいてないな。
不覚にもの潤んだ瞳にドキッとしてしまったハラは手を退かしその場から離れて告げる。
「君、なかなか面白いね。 また会いに来るよ」
ひらひらと手を振り畳んでいた羽を広げて消えてゆくハラを、呆気にとられながら見送った。
一体……何が起こってたんだろ。
『というか、何か体がムズムズする……』
ご飯食べたいからなのかな? と、疑問に思いながらも再びベッドに横たわり二度寝を始めるだった。