第5章 現れた天使
今日は聖堂に人が集まる日と、さっき紅楼が言っていた。
服装をきちんと整え聖堂へと向かう。
『っお……』
「あら、おはようございます」
『お、おはようございます……』
入口から疎らだが人が入って来る。
男性も居るのは居るが、殆どが女性であまり女と関わってこなかったは戸惑ってしまう。
しかも子供まで居て、苦手なは助けを求めるべく紅楼を探すが……人と話している上、前の方に居て近づけない。
『ちょ、私何したらいいのっ……』
何も分からないまま何も出来ずに時間だけが過ぎ、いつの間にか始まってしまっていた。
何も分からないまま立ってるだけ……。
苦笑いを浮かべながらも皆が揃ってしている事に目を向ける。
よく集まってこんな事やってられるよね。
神は確かに居るんだろうけどさ、毎日毎日……清く正しい心を持ち、とか…よく出来るよねぇ。
良い人ぶらずにさ、自分の欲望に素直になって生きれば楽なのに。
こちら側へ堕ちようよ。
そんな事を頭で考えていたはふと頭上に何かいることに気づき顔を上げる。
『ぁ、て……天使っ』
身を強ばらせ後ずさる。
誰一人気づいて居ないのか、誰もコチラを見ていない。
何を……しに来たんだろう。
前に悪戯をしに来た天使かどうかは分からないが、天使は嫌いだ。
目を離さずじっと睨みつけていると、フッと笑いその天使は音もなく目の前に降りてくる。