第3章 空腹対処法
『くろぅ……熱い、燃えてるっ』
「分かっていますよ。 治しますから、我慢して下さいね」
そう言ったすぐ後、胸の辺りにさっきからの熱さとは別の焼けるような痛みが走った。
『っ!!? うぅぅっ、ぐぁ……ぃ、たいっ!』
目を覆う手を、胸に当てられた手をどかそうと抵抗をするが、力の差がありすぎてかビクともしない。
『あぁぁっ、やだっ! やめ、ろ……やめろぉっ!! 』
「っ、じっとしろって!!」
『やあぁぁぁぁぁっ! あ、ぁ……ぁぅ』
紅楼に怒鳴られ、最後の抵抗をしようとした瞬間熱さが一瞬にして引いていき意識が朦朧とする。
目が自由になって周りを見てみても、ぼやっとしていて何度瞬きをしても視界がハッキリしない。
『ぁ……はぁ、はぁっ……』
突然、体中の力が抜けてしまいそのまま私は紅楼に支えられる形になった。
『ち、から……はいん、な、ぃ…』
「でしょうね」
『……??』
「全く、アイツの悪戯は度が過ぎる……」
何か紅楼が言っているが、よく分からなかった。
瞼が重たい……意識が、途切れて……しまい、そ…う。
視界が暗く染まった。