第2章 淫魔ちゃんの生態
『十字架、反則!』
「反則じゃないです。 を躾るための重要道具です」
『躾られる筋合い無いもん!』
「まるで子供ですね。 そんな軽口叩けないようにしましょうか?」
十字架を構えて微笑む紅楼……悪魔だっ!!
本物の悪魔よりも私には悪魔に見えた。
言い返せる言葉が見つからず口篭っていると、紅楼が口を開いた。
「あっ……明日から、ちゃんと働いてもらいますからね」
『…………。』
……ん? 今なんて言ったんだ?
明日から、働く?
『はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!??』
「ちょ、うるさいですよっ」
呆れた顔を向けられたがお構い無しに紅楼に詰め寄って、慌てて質問攻めにする。
『いやいやいや、えっ?! ナニソレ明日から働くってどこで?!』
「ここで」
『誰が?!』
「貴女が」
『どうして?!』
「手伝いが必要ですから」
『何で私?!』
「教会で仕事してみて少しでも心が清らかになれば、と思って」
『結局目的それかよ……』
最後にボロを出した紅楼のすぐ隣で私はガクッと、項垂れる。
なんでこんのクソ神父に働かされなければならないんだ。
最悪、最悪、最悪っ!!
「まぁ、貴女が働く代わりに、こうして一日一回ご飯をあげるんですから、釣り合ってるでしょう」
『むぅ…………ん?』
あれ、今なんか引っかかったんだけど……