第2章 淫魔ちゃんの生態
「大丈夫か、」
『はぁ、はぁ、はぁっ……』
一回だけだったのに、お腹いっぱい…。
セックス気持ちいい。
ベッドに丸まった状態で余韻に浸りながら親指を咥える。
寂しさを感じると直ぐにこうしてしまう、昔からの癖ってのは直らないものだ。
だが、寂しさと同時に胸が熱くなるような嬉しさも感じて、私は隣に座る紅楼の腕に尻尾を巻き付ける。
『淫魔に詳しそうなお前なら分かるんだろ? この、意味が……』
「まぁ、嬉しい感情を表すって所ですかね?」
当たりだ。
嬉しい時は尻尾を巻き付けるのが淫魔の特徴。
よく分かってるじゃん。
口には出さないが、心で一応褒めておく。
ちょっと気に食わないけど……
『……何で、私なんか捕まえようと思った訳?』
ふと感じていた疑問を聞いてみる。
「たまたま現れたからですよ。 見つけた悪魔を、野放しにはしておけないですから」
『ってか、なんでちょくちょく敬語になるの。 何か変』
「癖ですかね。 こっちの方が喋りやすいんですよ」
『はぁ〜……変なの』
思わず呆れた声が出た。
敬語で話すのが癖って、変わりすぎた癖でしょ。
私みたいな悪魔にも敬語使う所とか更に変わってる。
『……変人』(ボソッ)
「っ……?」
『!!? ぎゃっ、ぁぐっ、ごめんなさいごめんなさいぃぃっ!!』
ほんと、小さな声で言ったつもりだったのに、いきなり背後から十字架を突き付けられベッドから飛び起きた。
卑怯すぎる。 そして私が不利すぎる。
背中が少し焼けた気がした。まぁ、すぐ回復はするがこんなにも頻繁にされちゃぁ堪らない。