第8章 妹の戦い方
ヒーローチームがビルに入るまで、あと5分…その間に作戦を立てなきゃ。
風利
「私達が勝つ為の条件は、15分間ヒーローから『核』を守り切る事…もしくは、2人を捕らえる事」
戦闘なら、爆豪が危険…でも、今回警戒すべきは、飯田君だ。
ヒーローチームは、『核』に触れれば勝利…加速の“個性”を持つ飯田君には、得意分野の筈。
風利
「爆豪は今大人しくなってるから、第一戦みたく一人で突っ走る事はないと思う」
私の言葉に、障子君は頷く。
風利
「2人一緒に行動して来るとして…やっぱり、一番重要なのは飯田君の足止めだよね」
障子
「飯田にこのフロアに入られたら、勝ち目は殆ど無くなるな」
風利
「どうすれば良いかな…」
姉さんなら…1対2になっても相手を倒しに行くんだろうな…
でも、私にそんな力はない…悔しいけど、戦闘においては姉さんにずっと負けてるから。
風利
「障子君の“個性”、詳しく教えて貰っても良い?」
障子
「俺の“個性”…〝複製腕〟は、見ての通り左右に2本計4本の触手があり、その先端に身体の部位を複製する事が出来る」
風利
「身体の部位?」
障子
「耳や目や口、手や足とかだ」