第32章 姉の二回戦
私は、溜息を一つ吐いて、皆の顔を見る。
薙景
「卑怯だったのは認めるけど、悪かったとは思わないよ」
必要になったらまたやるし。
薙景
「マイク先生も『倫理観は一旦捨て置け』って言ってたし?ヒーローになるには演技力も必要だと思う」
峰田
「言い訳くせえ!」
薙景
「かもね」
皆が正々堂々やってる中、私が卑怯な方法を取ったのは事実……けど、
薙景
「騙されない為の観察力も、誤魔化す為の狡賢さも、ヒーローには必要だと思うんだけどな」
峰田
「ぐぬ…‼︎」
一理あると思ったらしく、皆は責めの言葉を失った…でも、まだ視線は痛い。
薙景
「ま、騙す以外に打開策が無い訳じゃなかったけど」
「「ならすんな‼︎」」
薙景
「皆良い人過ぎじゃない?(笑」