第31章 好敵の発破
轟君が、顔を俯けて目元に手をやる…けど直ぐに顔を上げた。
緑谷
「凄……」
轟
「何笑ってんだよ。その怪我で…この状況で、お前…イカレてるよ」
もう勝敗は着いたようなもんだね…既にボロボロのオタク君に対して、轟君は“個性”の限度気にする必要が無くなった。
薙景
「…けど、」
轟
「どうなっても知らねぇぞ」
まだどちらも勝つ気で居る。
バキ!
超パワーを足に収束させ地面を蹴り、氷結を避けつつ轟君へ接近。
緑谷
(なるべく近くで…ありったけを‼︎)
轟君は、氷結を繰り出しつつ左手をオタク君へ向ける。
轟
「緑谷」
そして、
轟
「──ありがとな」
オタク君の超パワーと、轟君の炎熱がぶつかった。