第31章 好敵の発破
右半身に氷結を、左半身に炎熱を纏う。
轟君が“個性”を発動した本来の姿を、私は只管に見つめてた。
見てると胸が熱くなるのは、多分気の所為じゃない。
「──焦凍ォオオオ!!!」
「「‼︎」」
突如として響き渡った、誰かの叫び声。
薙景
「エンデヴァー…」
風利
「!」
プロヒーロー用観覧席、叫んでいたのはエンデヴァーだった。
轟君が熱使ったからか…すごい喜んでる。
エンデヴァー
「やっと己を受け入れたか‼︎そうだ‼︎良いぞ‼︎」
エンデヴァーは、ズンズンと前の方へと移動していく。
エンデヴァー
「ここからが、お前の始まり‼︎俺の血をもって俺を超えて行き…俺の野望をお前が果たせ‼︎」
「「………」」
轟君は、エンデヴァーの方を見向きもしない。