第31章 好敵の発破
ゴオッ
フィールド上に煌々と燃え上がる、紅蓮の炎。
轟君が、戦闘に於いて絶対使わないと自分に誓約してた…左の力。
飯田
「使った…!」
麗日
「ネツキタ」
風利
「炎熱の“個性”…!」
オタク君の叫びが、轟君の縛りを解いた…
薙景
「対戦相手に何やってんだか…」
呟いた言葉は本心だけど、私は口角が上がるのを抑えられずに居る。
緑谷
「アッチチ」
轟
「勝ちてえくせに…………ちくしょう…敵に塩送るなんて、どっちが巫山戯てるって話だ…」
オタク君は凄いな〜…そして、面白い…
轟
「俺だって、ヒーローに…‼︎」
緑谷
「───…‼︎」
己の身を犠牲にして…轟君を、救って見せた。