第28章 妹の一回戦

奏
「ヒーローを凄いとは思うけど、心操君みたいに憧れてる訳じゃないし…」


風利
「………」


タンッ


風利
「！」


奏君が、こちらに向かって来た。


シュッ ガッ


私は、繰り出された回し蹴りを、咄嗟に腕で受け止める。


奏
「油断大敵〜」


ムカッ


風利
「やな攻め方！」


奏
「アハハ！」


奏君が身を引き、数歩退がった。


奏
「僕には、ここに立つ資格、無いのかもしれない」


風利
「…！」


奏
「でも…どうしても、こういう戦いがしてみたかったんだ」