第28章 妹の一回戦
プレゼント・マイク
《どっちも中々の身のこなし!だが、まだ“個性”はどっちも使ってねえな…》
奏君は、四人姉弟の末っ子だ。
上は三人ともお姉さんで…女の子に囲まれて育ったからか、奏君の口調や雰囲気はあまり男らしくない。
でも、何よりも勝負事が大好きな性格で、姉さんとも私とも色んな事で競ってきた。
今みたいに、“個性”を使った戦闘もした…最後に戦ったのは、中学に上がるより前。
風利
「奏君、」
奏
「なぁに?」
風利
「奏君は、ここで戦う為に心操君と組んだの?」
奏
「うん!そうだよ」
心操君は知ってるのかな…奏の目的が、自分のと違う事を。
奏
「…やっぱ、悪いかな?」
風利
「え?」
奏君の笑みが、少し困ったようなものに変わった。
奏
「僕が雄英に入ったのは、ヒーロー目指してるからじゃなくて、普通に進学する為だし…」
それは知ってるけど…