第27章 姉の一回戦
薙景
「私と風利の母は、空戦ヒーロー『ピンフィール』なんだよ」
轟
「…!」
薙景
「そのお陰でエンデヴァーから褒められた」
ヘラっと笑いながら、私は轟君の目を見つめた。
流石の轟君も、私の両親がプロヒーローという事実に驚いたらしい。
轟
(また…また“血”か…‼︎)
轟君が俯く。
薙景
「──君が、緑谷君に話してた事、盗み聴きした」
轟
「⁉︎」
薙景
「エンデヴァーさんとの会話も…ごめん」
謝るなら今と思い、私は轟君に頭を下げた。
押さえられてるから、首を倒すしか出来ないけど…
薙景
「君が、父親を嫌ってるのは分かった…でも、」
私は顔を上げて、再度轟君の目を見つめた。
薙景
「それは、私とは関係無い話だよね」