第27章 姉の一回戦
轟
「挨拶…?」
薙景
「ヒーロー科の生徒がプロヒーローに挨拶をする…別に珍しい事じゃないでしょ」
まぁ、厳密に言えば、声をかけたんじゃなくかけられたんだけど…
薙景
「それに、クラスメートの父親なんだから、挨拶くらいするよ」
轟
「!……ただ挨拶してただけじゃねえだろ」
薙景
「何でそう思うの?」
轟
「アイツが…アイツの機嫌が、良いように見えた」
嫌で堪らないという風に、轟君の顔が歪む。
…嘘を吐いて誤魔化しても良いんだけど…
薙景
「私に…君の良いライバルになって貰いたい、って言われた」
轟
「!」
ここは、正直に答えとこう。
轟
「ライバル…?は…何で八剣が…」
薙景
「私が、エンデヴァーのライバルの娘だから」