第26章 憧れの人
薙景
「…あ。」
向こうの通路に、轟君の姿を見つけた。
そっか、あそこ曲がればフィールド出入口か…
薙景
「とど…」
轟
「──邪魔だ」
薙景
「!」
声をかけようとして、思わず止めた。
邪魔と言った轟君の声が、冷たく聞こえたから。
誰に向かって言ったんだろ…
通路壁に背を張り付けながら、私は息を潜めて通路の先を覗き見た。
薙景
「…!」
轟君の前に立っている、轟君が邪魔と言った相手は…フレイムヒーロー『エンデヴァー』だった。
轟君の父親…息子の激励に来たのか…
エンデヴァー
「醜態ばかりだな、焦凍」
…激励ではなさそう。