第18章 似た者同士
今朝みたいにクラスに噂が立つのは、絶対に防ぎたい…
薙景
「それ、誰かに言った?」
轟
「いや…」
薙景
「言わないでね」
まぁ、彼はペラペラ言いふらすようなタイプには見えないけど…
薙景
「治癒能力ね…あるよ。治癒って言うより、回復や再生のが近いけど」
轟
「妹にも隠してるよな」
薙景
「!…まぁ、ね」
風利は、私の“個性”は〝旋風〟だけだと思ってる…私が、そう勘違いさせてる。
轟
「何の理由で隠してんだ」
薙景
「なんか、やけに聞いてくるね。そんな気になる?」
私がそう返すと、轟君は目線を落とした。
轟
「………」
薙景
「…まぁ、別に良いけどさ」
秘密にしてくれるなら、ある程度は答えてあげても良い。