第18章 似た者同士
私が自分の“個性”を隠す理由…
薙景
「理由は──自分の“個性”が嫌いだから」
轟
「!」
〝旋風〟だけの“個性”…本当にそうだったら、どんなに良かったか…
轟
「…それは、」
薙景
「何で嫌いかは秘密」
これ以上は言えない…言う気はない。
轟
「………」
薙景
「“個性”と言えば、轟君の氷結能力カッコ良いよね〜」
私の話は終わりにして、轟君の話に切り替える。
薙景
「戦闘訓練の時、確か熱も使ってたよね」
熱と氷両方って、改めて凄い“個性”だと思う…お陰で『クラス最強』って言われてる訳だし。
轟
「……俺も、自分の“個性”が嫌いだ」
薙景
「え?」
轟
「熱(ひだり)は…大嫌いな奴の“個性”だから」