第2章 妹の出会い
風利
「ちょっと…大丈夫⁉︎」
演習終了の号令がかかると、ソバカスの人は糸が切れたように気を失った。
風利
「大丈夫…な訳ないよね、コレ…」
彼の両足と右腕は、バキバキに骨折している。
キャッチした時に違和感あったけど…まさか、ここまで粉々になってるなんて!
ギミックに攻撃したから…?“個性”の許容(キャパ)オーバーで、こうなったの?
風利
「そもそも、どうしてギミックに攻撃なんか…」
私もしようとしたけど、それは目的が違うし。
「あの!その人、大丈夫ですか⁉︎」
壊れた仮想敵(ヴィラン)の上に乗ってる、茶髪の女子がそう聞いてきた。
「その人…私を救けてくれたんだ」
風利
「!」
よく見れば、彼女は足を怪我してる。
ギミック出現の時、彼女が怪我を負ったなら…動けない彼女を救ける為に、彼はギミックに攻撃したって事…?
試験中に、自身の事も顧みずに、ただ救ける為に…?