第16章 不安と不審
良かった…けど怪我が無いなら、どうして気絶なんか…
風利
「倒れる前の様子とか、見てない?」
轟
「糸が切れたみてえに、いきなり倒れたな」
風利
「!原因は…何かあったんじゃ」
轟
「さぁな…そこまでは分からねえよ」
姉さんに何があったんだろ…
轟
「お前ら、双子なんだよな」
風利
「え?う、うん」
ビックリした…いきなり聞かれるとは思わなかった。
轟
「“個性”も同じなのか?」
何度かされた事のある質問だ。
風利
「ううん…姉さんは、体から刃を出す事が出来ないから…風を操るってとこだけ同じだよ。でも姉さんの方が、風のコントロールが上手」
轟
「他は、何がある?」
風利
「?それだけだけど…?」
轟
「…そうか」
どうして聞かれたんだろ…普通に気になっただけかな?