第16章 不安と不審
私達生徒は、更衣室で制服に着替えた後、教室に戻った。
事情聴取を始めるまでは待機とのこと。
当然教室の中は、襲撃の話で持ちきりだ。
風利
「轟君、」
轟
「!」
私は、誰と話すでもなく席に着いてた轟君に話しかけた。
風利
「切島君から姉さんの事聞いたんだけど…轟君が、倒れた姉さんを受け止めてくれたって」
轟
「…ああ」
風利
「姉さん、どんな様子だった?怪我とかしてた…?」
轟
「いや、怪我は…──」
轟君は、何かを言いかけて、口を閉じた。
風利
「?」
どうしたんだろ?
轟
「怪我は…無いように見えた」
風利
「ホッ)よ、良かった…」