第1章 姉の出会い
〜薙景 side〜
「来るんじゃねえええ!」
NR田等院駅にて、ただいまヒーローと敵(ヴィラン)が交戦中。
敵(ヴィラン)は、怪獣化の“個性”を持ってるらしく、その巨体で暴れてる。
薙景
「このままだと遅刻かな…」
よりによって通勤通学時間に暴れてくれなくても良いのに、と思いながら私は学校に遅れると連絡を入れた。
電話を切った直後、人混みを掻き分けて、一人の男子が私の隣に出て来た。
「ぷはっ、誰戦ってます⁉︎」
薙景
「カムイだよ」
ヒーローの姿を見つけて、その男子は目を輝かせる。
「『シンリンカムイ』‼︎人気急上昇中の若手実力派‼︎」
薙景
「よく知ってるね」
「聞いといて解説か!兄ちゃん…オタクだな!!?」
オタク君
「あ、いや、うへへ…」
近くに居たおじさんに言われて、男子(オタク君と勝手に命名)は照れた様子で自分の頭を掻いた。