第1章 姉の出会い
事の始まりは、中国・軽慶市…〝発光する赤児〟が生まれたというニュースだった。
以降、各地で『超常』は発見され、原因も判然としないまま時は流れる。
いつしか、『超常』は『日常』に…『架空(ゆめ)』は『現実』に。
世界人口の約八割が、何らかの〝特異体質〟である超人社会となった現在。
混乱渦巻く世の中で…かつて誰もが空想し憧れた一つの職業が、脚光を浴びていた。
〝超常〟に伴い爆発的に増加した犯罪件数…法の抜本的訂正に国がもたつく間、勇気ある人々がコミックさながらにヒーロー活動を始めた。
〝超常〟への警備、悪意からの防衛…たちまち市民権を得たヒーローは、世論に押させる形で公的職務に定められる。
彼らは、その活躍に応じて与えられる…国から収入を、人々から名声を。