第13章 空島へ行くには
下がっててとは言われたが銃相手に丸腰は分が悪い、ここは手を貸すべきかとユナが悩んでいるとその様子を見ていたゾロが先に動いた。
「バカが。ナメてかかるからだ…」
そう口を零すとゾロは刀に手をかけ栗男に向かって駆け出して行く──だが。
ゾロが駆け出したと同時に栗男がその場に蹲った…明らかに様子がおかしいそれにチョッパーが駆け寄り戦いは一時休戦となった。
そのままにする訳にもいかず、倒れた栗男を張りぼての家に運びベッドへ寝かせる。先程の口振りからしてココは栗男の家で、この栗男こそ一味が探していた”モンブラン・クリケット”本人だろう。
チョッパーがクリケットを診察する、倒れた原因は”潜水病”らしい。急激な水圧の変化で身体が耐えきれず発症する一時的な病気らしく、”潜水病”についてチョッパーが細かく説明をしてくれたが「ようは怪奇現象ってわけか…」とルフィが窓辺から外を眺めて呟いていた。
本来なら持病になる様な病気じゃ無いらしいが、このモンブラン・クリケットは毎日の度重なる無理な潜水の仕方で持病になってしまったらしい…一体何の為にそんな無茶な事をしていたのか、そんな考えを一味がしていたその時、ドアが勢い良く開いた。
「おやっさん!大丈夫かァ‼︎」
「‼︎」
「うわ⁉︎」
突然現れた二人の猿に一味の視線が集まる。一人は面識がある、サルベージで出逢ったマシラだ。もう一人マシラに似た猿は誰だろうとユナが首を傾げればルフィが口を開いた。
「おめェ何類だ?」
「オレはショウジョウ、人類だバカやろォ」
あ、人類だったんだとユナは一人ゴチる横で「いや、そこかよ!」とウソップがルフィとユナに突っ込んでいた。
「そんな事よりおめェらここで何してんだァ‼︎」
「おやっさんに何をしたァ‼︎」
クリケットの知り合いらしいマシラとショウジョウは殴り掛かる勢いで怒鳴っていたが、ルフィが「今モンブランのおっさん看病してんだ邪魔するな」と言えばマシラ達は涙ながらに感謝してきた。見た目に反してマシラ達は良い猿のようだ…いや、人か。